占星術では、生まれた場所と時間が判ると、あなたがこの世に生まれてきたその瞬間、
東の地平線と黄道(太陽の通り道)の交じわる点の先に、どのサインの、
どの度数があったのかが判ります。
それがASC、ASCENDANT(アセンダント)と呼ばれます。
生まれた時間が、4分変わると、時期読みでは少なくとも半年ぐらい変わってしまう、
というぐらい、生まれた時間は大切にされています。
そして、生まれた時間というのは、おかあさんの体から出てきた時間ではなく、
あなたが最初に呼吸を始めた時間です。
お腹の中では、えら呼吸をしているので、それが肺呼吸を始めた瞬間に、
「人」として、地球に生まれた、人としての人生がスタートした、ということになります。
考えてみれば、呼吸方法が変わるというのは、ものすごいことです。
それを人生の一番最初の、いえ、人生最大のイベントとして刻む、それがASCなのかもしれません。
あなたがこの世に生まれて来る前、あなたがこの地上にいるスペースは、
お母さんのお腹の中だけでした。
あなたの足は、大地に触れることはなく、
大地の上に、まだ、あなたの存在するスペースはなかったのです。
あなたが地上で始めて呼吸をしたその時、地上に、あなたのためのスペースが生まれます。
あなたがいなかった世界に、小さいけれど、大きな可能性を秘めた、あなたという空間が
突然生まれて、あなたの肉体の分の空間を割り込ませます。
あなたにとっても、あなたがうまれ出たその場を作っている、環境(人間関係)にとっても
新しい出会いがあり、相互の関係性を作っていく始まりとなります。
例えてみれば、新しい会社に始めてあなたが入ることになったとき、
今まであった、周囲の人たちの人間関係や仕事のスペースに、
あなたという新しい人間関係と、仕事のためのスペースが生まれるのと似ています。
ですから、ASCは、まだあなたがいなかった人間関係の輪の中、環境に、
あなたがどういう風に入り込んで認めてもらうと考えるのか、という姿が示されます。
どういう姿であれば、周囲にとって新しく入ってきたあなたという存在や個性、価値を、
受けいれてもらえるのか、という像が表れてきます。
それは表面的なものではなくて、心の底のほうで作られる印象です。
無意識的な部分もとても大きいのです。
その姿=ASCであれば、一番周囲と関わっていきやすいはず、と無意識に思い、
または、その姿でしか、周囲に受け入れてもらえなかった、という印象を持っているかもしれません。
ですから、ASCは存在の門とも言われ、他(天体などの感受点、アスペクトetc.)が
どうであれ、このASCの影響を受けて、発揮されるとも言われます。
わたしは、その通りだろうと思います。
土台がないところに、家はたたないように、
ASCなくして、あなたのチャートは成り立ちません。
ASCは、それほどまでに、大切な感受点なのだと思います。